瘢痕形成術

ケガや手術後の傷跡を修正して目立たなくする手術です。
真皮縫合、Z形成術やW形成術など、形成外科的技術を駆使して傷を目立たなくします。
瘢痕形成術は、あくまで傷を目立たなくさせるための手術であり、傷がなくなるわけではありません。
美容外科なら傷をきれいに無くしてくれるのではないかと誤解されている方がいらっしゃいますが、現代の医学でも傷を消すことはできません。美容手術は目立たない位置に傷を作っているにすぎません。
傷が比較的きれいに治っていて手術を行っても大きな改善が期待できない場合は、瘢痕形成術の適応がないと判断されます。
瘢痕形成術自体は、私が形成外科医になった25年前と比較して大きく進歩したわけでもなく、治療結果は手術を担当する医師の腕によって決まるとも言えます。
ではいったい、目立たないきれいな傷とはどんな傷でしょうか。
一般的には、できるだけ細い1本の直線的は傷が理想とされます。特にシワの方向に一致した細い傷は目立ちません。しかし、シワの方向に逆らった長い直線の傷は、例え細い線になっていても目立つことがあります。例えば、頬にできた2㎝を超える直線の傷は非常に目立ちます。手足の関節近くのシワに逆らった傷は、関節の動きを制限することもあります。
シワの方向に沿った傷の場合はできるだけ細い1本線となるように切除縫合しますが、部位によってはわざとジグザグとなるように1辺が短い傷として縫合した方が目立ちにくくなります。

瘢痕形成術

Z形成術は、視覚的に傷を目立たなくするだけでなく、傷の延長効果によってひきつれを改善し、傷の凹凸を改善する効果もあります。

瘢痕形成術

瘢痕形成術症例1-1

【治療前】

幅と凹みが目立つ瘢痕

矢印

 

 

瘢痕形成術症例1-2

【術後6ヶ月】

ほとんど傷はわかりません

瘢痕形成術症例2-1

【治療前】

幅と凹みが目立つ頬の瘢痕
このような頬の長い瘢痕は、単純に切除してはいけません

矢印

 

 

瘢痕形成術症例2-2

【W形成術のデザイン】

 

矢印
瘢痕形成術症例2-3

【術後6ヶ月】

ジグザグにしたことで傷は目立ちません

瘢痕形成術症例3-1

【治療前】

婦人科手術後の肥厚性瘢痕に対して、他院で瘢痕形成術が行われた症例
単純に切除して直線的な傷としたため、手術前と比較して全く改善しなかったそうです。肥厚性瘢痕が再発しています。
術後1年間トラニラスト(リザベン)が処方されていました。

矢印

 

 

瘢痕形成術症例3-2

【連続Z形成術術後1年】

術後にトラニラストの処方は行っていません。
恥骨に近い縦方向の傷の部分がわずかに肥厚性瘢痕となっていますが、Z形成を行ったことで劇的に改善しています。