シミの治療

老人性色素斑

老人性色素斑に最も有効性が高いと考えられるのがQスイッチルビーレーザーです。
限られた範囲の老人性色素斑を治したい場合は、Qスイッチルビーレーザーが第一選択の治療です。
しかし、広い範囲のシミ治療や細かい老人性色素斑を治したい場合、レーザー後のダウンタイムを受け入れられない場合はI2PLが第一選択です。
Qスイッチルビーレーザー治療では、ほとんどの老人性色素斑は1~2回の治療で改善できます。ただし、照射後10日間の塗り薬とテープの処置が必要なことと、一時的な炎症後色素沈着が起きる可能性があるという欠点があります。
I2PLでも、小さなシミなら1回で消失してしまうこともありますが、一般的には3~5回の照射を重ねることによって効果を発揮します。I2PLはレーザーに比べてマイルドなシミの取れ方をする治療法なので、治療効果に個人差があります。3~5回程度の治療を行っても変化が少ない老人性色素斑に対しては、Qスイッチルビーレーザーを考慮します。

老人性色素斑の治療例1-1

【治療前】

もみあげ前の老人性色素斑

矢印

 

 

老人性色素斑の治療例1-2

【ルビーレーザー1回 6ヵ月後】

ほぼ完全に消失しています。

老人性色素斑の治療例2-1

【治療前】

頬部の老人性色素斑

矢印

 

 

老人性色素斑の治療例2-2

【ルビーレーザー1回 4ヵ月後】

完全消失

老人性色素斑の治療例4-1

【治療前】

頬部の老人性色素斑と肝斑

矢印 老人性色素斑の治療例4-2

【I2PL5回後】

I2PL治療とトラネキサム酸・シナール
内服、ハイドロキノン外用を併用しています。
レーザーは一度も使用していません。
老人性色素斑がほぼ消失するとともに、
肌が全体的に見違えるようにきれいに
なっています。

老人性色素斑の治療例5-1

【治療前】

頬部の老人性色素斑

矢印

 

 

老人性色素斑の治療例5-2

【I2PL4回後】

I2PL単独治療で著効。

 

脂漏性角化症(老人性イボ)

色が濃くて盛り上がり方が軽いものは老人性色素斑と同様にQスイッチレーザー単独で取れることもありますが、盛り上がり方が強い場合は、サージトロンや炭酸ガスレーザーなどで除去します。盛り上がりが取れた後に色だけが残る場合は、Qスィッチレーザーをさらに照射します。トレチノイン単独治療は無効です。

脂漏性角化症(老人性イボ)の治療例1-1

【治療前】

老人性色素斑のように見えますが、ほとんどが盛り上がっています。

矢印

 

 

脂漏性角化症(老人性イボ)の治療例1-2

【サージトロン治療後1ヶ月】

きれいに消失しています。

脂漏性角化症(老人性イボ)の治療例2-1

【治療前】

脂漏性角化症

矢印

 

 

脂漏性角化症(老人性イボ)の治療例2-2

【サージトロン治療後1ヶ月】

きれいに消失しています。まだ少し治療後の赤みがありますが、いずれ改善します。

 

ソバカス

範囲が広いソバカスは、I2PL(フラッシュ光線)が第一選択と考えます。
ソバカスの除去効果自体はI2PLよりQスイッチレーザーの方が強力ですが、広い範囲に細かいシミが点在するというソバカスの特徴を考えると、I2PLの方がソバカス治療にはむいています。
ソバカスは遺伝的な体質が影響していますから再発も多く、将来再治療が必要というケースもありますが、その場合もダウンタイムが少ないI2PLは大変受け入れやすい治療法となります。
I2PLでは消えないソバカスに対しては、Qスイッチレーザーを考慮します。小範囲のソバカスでは、初めからQスイッチレーザーを行うこともあります。

ソバカスの治療例1-1

【治療前】

ソバカスは小さい色素斑が多数・広範囲に存在するので、レーザーでは大変です

矢印

 

 

ソバカスの治療例1-2

【I2PL2回治療後】

ソバカスはI2PLの良い適応です。

 

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)と太田母斑

ADMと太田母斑は、他のシミとは異なり、皮膚の真皮内にもメラニンを作るメラノサイトが存在していることが特徴です。
ADMと太田母斑は、Qスイッチレーザー治療が必要です。
Qスイッチレーザーが誕生する以前は、太田母斑は最も治療が難しいアザの代表でしたが、Qスイッチルビーレーザーが登場してからは、時間はかかるけれども治療すれば必ず良くなるアザへと変わりました。
レーザーの効果があらわれるまでに時間がかかるため、3~6ヶ月以上の間隔をあけながら照射を数回行います。軽症なら1~2回、重症では4~5回の照射が必要です。
レーザー後に炎症後色素沈着を起こす人は、トレチノイン治療を併用することによって治療期間を短縮することができます。
レーザー治療前にI2PL治療やトレチノインを行っておくと、レーザーの効果をより高めることができます。

ADMの治療例1-1

【治療前】

ADM

矢印

 

 

ADMの治療例1-2

【レーザー2回治療後6ヶ月】

ADMはレーザーを照射してもすぐには良くなりません。レーザー後3~6ヶ月くらい経って薄くなってきます。

ADMの治療例2-1

【治療前】

ADM

矢印

 

 

ADMの治療例2-2

【レーザー2回治療後2年】

ADMは照射を繰り返すごとに薄くなっていきます。再発も稀です。

太田母斑の治療例1-1

【治療前】

太田母斑

矢印

 

 

太田母斑の治療例1-2

【1回目レーザー後6ヶ月】

色素がまだかなり残存しています

    矢印
    太田母斑の治療例1-3

【2回目レーザー後1ヶ月】

炎症後色素沈着を生じています。

    矢印
    太田母斑の治療例1-4

【2回目レーザー後6ヶ月】

炎症後色素沈着に対してトレチノイン治療を1ヶ月行ったあと4ヶ月経過観察を行いました。2回のレーザーで太田母斑はほぼ消失しています。

 

肝斑

肝斑は治療の難しいシミの代表です。安易なレーザー照射は肝斑を悪化させます。
肝斑には特効的な治療法はなく、厳重な紫外線対策と肌をこすらないなど日常の肌への気遣いが重要です。
その上でトラネキサム酸とビタミンCの内服、ハイドロキノンの外用を行います。高濃度ビタミンC誘導体の外用も肝斑の予防に効果があります。
トレチノインの外用を追加することもありますが、反応が強すぎると逆効果になることもあるので注意が必要です。
2か月以上の薬治療でも効果が認められない肝斑や、毛穴や肌の張りなどの美肌効果などを期待したい場合にはメドライトC6を用いたレーザートーニングを行います。レーザートーニングは1~2週間隔で5~8回の照射を行います。
また老人性色素斑など肝斑以外のシミを合併する場合には弱いI2PL治療を行うこともあります。
肝斑は非常に再発を起こしやすく、長い期間の経過観察が必要です。

肝斑の治療例1-1

【治療前】

頬部の小範囲の肝斑

矢印

 

 

肝斑の治療例1-2

【トレチノイン治療1ヶ月】

トレチノイン外用とトラネキサム酸内服によって短期間で改善しています。

肝斑の治療例2-1

【治療前】

他院で1年間にわたり、トランサミンとハイドロキノンの治療を行っても改善しなかった症例です。

矢印

 

 

肝斑の治療例2-2

【I2PL1回1ヶ月後】

トランサミンとハイドロキノンを継続してもらいつつI2PLを照射したところ、1回で劇的に改善しました。

肝斑の治療例3-1

【治療前】

老人性色素斑に肝斑を合併しています。全体的にくすみも目立ちます。

矢印

 

 

肝斑の治療例3-2

【I2PL4回後】

トランサミンとハイドロキノンを併用してI2PL治療を行いました。シミは消え、全体的に肌質が改善しています。トランサミンやハイドロキノンによる薬剤治療だけでは決してここまできれいには改善できません。

 

炎症後色素沈着(PIH)

多くのPIHは一時的なもので、自然経過で改善します。とはいっても自然経過に任せると、改善するまでに顔では半年以上、体では2年近く時間がかかることがあります。
軽度のPIHは、紫外線と摩擦刺激を避けるだけで、積極的な治療を行わないこともありますが、ハイドロキノン軟膏やトラネキサム酸内服などによって、自然経過より早い改善が期待できます。
PIHに対してはトレチノインがよく効きますので、できるだけ早く改善したい場合はトレチノインとハイドロキノンを併用した治療を行います。
慢性的な摩擦刺激が原因の難治性PIHに対しては、ADMに準じてQスイッチレーザー治療とトレチノイン外用の併用療法を行うことがあります。

炎症後色素沈着(PIH)の治療例1-1

【レーザー後のPIH】

レーザー後のPIHです。比較的重症のPIHのため、トレチノインによる治療を行いました。

矢印

 

 

炎症後色素沈着(PIH)の治療例1-2

【トレチノイン治療2ヵ月後】

PIHは改善しています。トレチノインを使用しなければ改善までにもっと時間を要したはずです。